時の話題 「兵庫県知事選」
パワハラ、おねだりなど何かと問題があった兵庫県前知事の斎藤元彦氏(47)辞職を受けた知事選で斎藤氏が再選された。報道によればSNSを駆使した選挙戦術が勝因として挙げられている。投票率は3年前の知事選より14・55㌽も高い55・65%だった。
NHKの出口調査によると、投票に当たって参考にしたのは新聞(24%)、テレビ(24%)よりSNSや動画サイト(30%)だったと言うのだから「世の中も変わったものだ」との感をしている。
斎藤氏は議会の百条委員会にパワハラなど不適切な行いで審議されている身であり、議員の一人は「追及の手を緩めるものでない」と語っているようだが斎藤氏を是とした民意にはお手上げ状態で、今後の追及は手を緩めざるを得ないようである。
米国でトランプ氏が大統領に当選したよう国民の既得権者に対する反発は予想以上のものがある。その権限は持つ者と持たざる者との対決では片付けられないほど深刻化している。
先の衆院選での政権与党の自民・公明党への反発心は、今回の兵庫県知事選での最終盤での県内での市長による対抗馬の元尼崎市長の稲村和美氏への支持表明もあるのだろう。
民衆の既存特権層への反発を超えた忌避感は根強いものがあり、今後の国政だけでなく地方の知事・首長選への影響は避けられそうにない状況にある。
戦後、醸成されてきた民主主義が根底から崩れかけている事実を目の前にし、新聞・テレビに対する不評と共に、筆者もおどろおどろしている。