シロップ作りに新設備 斉藤嘉仁さん 作業効率向上

 坂の下地区にある実家の裏山に育つイタヤカエデから樹液を採取し「最北のメープルシロップ」を作る市内の会社員でインターネットデザイナーの斉藤嘉仁さん(40)=緑5=が、来年の商品化に向けて樹液を熱処理してシロップを抽出する設備〝エバポレーター〟を導入し「この設備により効率的にシロップが作れるようになる」と期待を寄せている。
 今年雪融け時期に裏山で育つ50本のカエデの木から350㍑の樹液(シロップになる量はその60分の1)を採取することができ、作ったシロップで萩見の焼き菓子店「おやつ屋やまぐち」でシロップを使ったバターサンドを販売し、一般向けにネット販売したメープルシロップも好評だった。 
 樹液からシロップを精製するには手間を要し、今年は自宅のコンロで鍋を使用して樹液からシロップを作っていたが、1週間以上(1日20㍑ずつ)の作業とガス代がかかっていた。新たな設備は加工したドラム缶の中で薪を炊き上げ、熱で温めた樹液から水分を飛ばしシロップを作ることができるため作業効率は7分の1に向上する。
 実家裏に作ったメープルシロップ加工場「シュガーシャック」で30日、試験的にエバポレーターに水140㍑を入れ、水分の蒸発時間を調べた。
 来年2月後半〜3月には再び樹液を採取しシロップ作りをする斉藤さんは「稚内にはカエデの木がたくさんある。年数はかかると思いますが、稚内の新たな名物になる可能性だってあるメープルシロップを色々な人に味わってもらえるよう頑張っていきたい」と話していた。