衆院選あす投開票 北海道12区 武部氏に川原田氏肉薄か

武部新候補(54)
=自民党前職4回当選=

川原田英生候補(41)
=立憲民主党新人=

 第50回衆院選は27日投開票される。
 自民・公明の与党と立憲民主党など野党との戦いは、自民党の裏金、そして後で発覚した非公認候補への2000万円(公認候補と同額)問題もあり、それでなくても窮地に追い込まれていた自民党は苦境に陥っている。
 頼みとした石破総理の変節も相俟って自民党単独どころか与党としての過半数割れもとり沙汰されている。
 北海道内の12選挙とも自民党は苦しい選挙戦を強いられている中、12区は他と比べると楽観的な見方をしているようだが、前回の日本共産党候補の得票1万4140票の行方が気になるところで、仮にその票の8割(1万1312票)が立憲民主党の川原田英生候補に流れ、自民党の武部新候補が前回の9万7634票から20%減になれば川原田候補との差は縮まる。
 建設協会、漁協・農協など固い保守基盤に支えられている武部候補として油断できず、川原田氏は地元網走だけでなく稚内にもよく足を運んでいるので予断を許さない状況にある。

「武部候補事務所」

 武部候補の宗谷・稚内合同選対事務所は、5期目の当選を目指し最後の追い込み。候補を後押しするため結束している。
 公示後の16日と22日稚内など宗谷入りした候補は4期の実績を踏まえ、農林水産など一次産業の振興や物価高騰対策、人口減少対策など強く訴え、文部科学副大臣としての立場で子育て対策も重要政策であるとした。
 自民党へ逆風が吹く中での選挙活動に、中田伸也選対本部長は「厳しい戦いになっている」と戦況を語り、4期の実績がある候補については「利尻から知床までと広い選挙区でありますが、しっかりと地方を回り活動をやって頂いている」と話す。
 最終日は北見などを中心に遊説する候補だが、宗谷・稚内事務所の活動に関し「稚内、宗谷での自民党の支持率を上げていく。この選挙を勝ち抜くため票を更に浸透させていく」と語り、気を引き締めて最後まで一票一票確実に積み上げたいとしている。

「川原田陣営」

 川原田候補の宗谷ブロック合同選対本部は初当選目指し最後の追い込みをしている。
 公示後の18日、稚内入りした川原田氏はシティわっかない店前などで自民党に蔓延る政治とカネの問題にケリをつけ、間違った政治を変えようなどと訴えてきた。
 磯部拓也選対本部長は「本人が歩いた分、管内の感触は悪くないものと感じているが、若い人へのアプローチが難しく感じた」と振り返り「自分たちに良くしてくれている人に都合がよくなる政治とカネの問題に風穴を開けたい。企業の言いなりの政治ではなく地域のために何かをやってくれる人を選ぶべきだと感じている」と話していた。
 明日の投開票を控え「今度こそはバッジを付けられると信じている。皆さんが投票に行ってくれることを願っております」と話していた。

「期日前投票、前回より増加」
 道選管宗谷支所は、25日現在の期日前投票数を発表した。
 稚内市3968人、9町村合計7502人の1万1470人で投票率は稚内市15・02%、町村計33・12%。
 前回の令和3年10月29日の衆院選投票2日前と比べ、稚内市142人、町村計166人増えている。

「清水目道選管支所長が談話」
 27日は第50回衆院選の投票日です。
 有権者の皆さまにおかれましては、15日に衆院選が公示されてからこれまでの間、テレビ・ラジオによる政見放送や選挙公報、SNSをはじめとするインターネットの利用を通して、各候補者や政党の政策に接してこられたものと思います。
 投票参加は、自らの意思を政治に反映できる貴重な機会です。
 時代を担う若者はじめ、道民の多くの皆さまが一つひとつの政策をよく考え、ご自身の明日につながる大切な一票を積極的に投じられるよう、切に願っています。