時の話題 「秋の新聞週間」

 今月15日からの秋の新聞週間の代表標語は「流されない 私は読んで 考える」。SNSなどの情報に流されず新聞をしっかり読んで熟考する―という意味なのだろうと勝手に解釈している。
 過去の代表標語は「今を知り過去を学んで明日を読む」(23年)「危機のとき確かな情報頼れる新聞」(20年)「真実と人に寄り添う記事がある」(18年)「きっかけは小さな記事の一行だった」(10年)「なぜ、どうして もっと知りたい新聞で」(05年)「激動のネット社会に確かな活字」(00年)、1990年代では「新聞が高める社会の透明度」(97年)、80年代では「新聞はひるまずおごらずかたよらず」(88年)などあった。
 毎日、読売、朝日など全国紙、道新などブロック、小紙など地方紙とも往時に比べれば部数を大きく減らす中この先の新聞のあり方を考える時、SNSなどネット配信、テレビにはない深読みをできる媒体が新聞であり、将来的に立ち行かなくなる時代が来ようと、その灯は消してはならないということになろうか。
 小紙など地方紙の存在は慶弔の報告や身近な話題ほか市など行政のお知らせ広告には欠かせなく、会社というのは本来、利益を出してなんぼの世界なのだが、新聞社経営に関してはチョンチョンでも住民に寄り添い本当の事を掲載するのが使命なので、どの地方紙も体力がある限り情報を発信し続けなければならない。
 今年の標語の「流されない」は新聞社が絶対持つ必要がある矜恃であり、変に迎合しない事を説いている。