表さんに文科大臣賞 前稚内市教育長 教育長10年以上務め教育向上に寄与

 今年度の地方教育行政功労者表彰(文部科学大臣表彰)に、前稚内市教育長の表純一さん(70)が選ばれた。表さんは「色々なことをやってきましたが、市長はじめ周りの職員の支えがあり今回の賞を頂くことに繋がりました」と喜びと感謝の気持ちを述べた。
 表さんは専修大学法学部卒業し昭和51年に稚内市役所に奉職。農政課を振り出しにこども課長、教育部長など歴任。平成24年11月から教育長を務め令和5年11月1日退任した。
 今回は学校、家庭、地域など一致団結し教育力を高め合う「子育て運動」の理念を継承し、放課後学力グングン塾での基礎学力定着南中ソーランを広く発信する「子ども芸能祭・南中ソーラン祭」で稚内の文化発展に寄与した。
 今でこそ当たり前となっている放課後学力グングン塾の取り組みが当時の議会で理解されず「侃々諤々の議論となり、とても苦労した。決まってからは成果を出さなければというプレッシャーがあったものの〝塾に参加したことで授業で手を挙げなかった子が手を挙げるようになった〟との父母のアンケートを見た時は感激しました」と当時を振り返っていた。
 南中ソーラン祭では当時、南中ソーランを他の学校の児童生徒が演舞するということに違和感を感じる学校関係者から反対の声が上がったが「皆んなで演舞をすることで、全国に誇ることができる踊りだとのプライドを持つことが出来る。その経験が自信に繋がるものと信じてきました」と話していた。
 今後の教育に対しては、少子化が想像を超えるスピードで進んでいることが最も心配だとし「学校の存続など多くの課題がある中、知恵を出し合い乗り切って欲しい」と思いを語っていた。
 現役を退き、多忙な日々から一転し最近では「ウォーキングや昔やっていたゴルフをたまに楽しんでいます」と笑顔を見せていた。
 表彰式は10日、文部科学省で行われる。