時の話題 「企業合併・買収」

 経済がグローバル化するほど稚内など地方都市で程々の売上げがある会社も狙われる。いわゆるM&A(企業の合併・買収)という戦略だ。
 一時、年間100億円以上の取扱高があったマルゴ福山水産がM&Aにより大商社の阪和興業(東京本社は中央区築地)の傘下に入った。
 冒頭、書いたよう経済がグローバル化せねば狭いテリトリーの中でそれなりの収益を上げ企業として存続できたであろうが、経済圏が広がってしまえば資本のある企業がそこそこの地方企業を買収してしまうのは弱肉強食の経済法則であろう。
 今年の秋サケ定置網漁は不漁だが、養殖し生産するホタテは中国の禁輸が続いているとはいえ販路を国内、そして東アジア圏に求め堅調な取扱いを続けている。その中での福山水産のM&Aは関係者ばかりでなくショックが広がっている。
 遣り手の先代が亡くなり身内が後を引き継いだものの、経営状況の厳しさと、海の激変もあり断念せざるを得なかったのか。
 福山水産工場の斜め向い(末広5)には道漁連のホタテ工場が近いうちに建設されるなど稚内の水産加工場は今更だが試練の時を迎えている。
 強者が弱者を葬り去るのは自然や経済の摂理とは言いながら稚内企業が人手に渡るのは由々しき事である。
 M&Aする側の阪和興業は「人の雇用の受け皿にもなりたい」と述べているが、いずれ阪和流の経営をすることになろう。
 今回の話は他人事でない。どの業界も厳しい経営を余儀なくされている。