大叔父の胸像と対面 廣瀬さん はまなす学園に赴く
稚内商工会議所初代会頭の林仁三郎氏(故人)を大叔父に持つ廣瀬隆人さん(68)が29日、稚内入りし、はまなす学園にある林氏の胸像と初対面を果たした廣瀬さんは「ようやく会えました」と面影あるその姿を懐かしんでいた。
林氏は、海産商林商店を経営する傍ら、稚内商工会議所初代会頭北海道商工会議所連合会副会頭、稚内市連合PTA会長など200近い公職歴を持ち、商売だけでなく教育にも力を注ぎ、稚内の発展に尽力してきた。戦後間もない昭和20年代、緑ヶ丘学園の前身となる盲ろうあ児童施設の理事長を33年間務めたことを称え造られた胸像は今、はまなす学園に残されている。
母方の叔父である林氏について調べていた廣瀬さんは、古くから縁がある稚内南地区地域コーディネーターの渡辺常久さんに相談し調査する中、はまなす学園に胸像があることが分かり、管内で用事があることから胸像を一目見ようと稚内にも寄ることになった。
29日夜、はまなす学園で胸像を見た廣瀬さんは「札幌にいる母に見せたい」と写真撮影を済ませたあと、林氏が私財を投じて盲ろうあ学校を設立したことや商売人として「商売は人とのつながりであり、人を知り、大事にしなければとよく話していた。数回しか会うことはなかったが、オーラのある人でした」と思い出を語った。
親族からは「神様のような人」と呼ばれていたことも語り、廣瀬さん自身も福祉関係の学校に携わった際には「札幌のろう学校の校長先生が仁三郎大叔父を知っており、福祉にエネルギーを注ぐ偉大さを感じられました」と話していた。