時の話題 「就職組増加に期待」

 新規高校卒業者(来春卒業者)の7月末の求人情報が稚内職安(ハローワーク稚内)から公表され、企業・団体などからの求人数は261人(昨年同期264)と変わらなかったが、求職者(就職希望者)は75人(昨年同期33)と2・3倍も増えたのは現下の稚内管内(稚内、猿払、豊富天塩、遠別、利礼3町)の経済状況を示す数字として注目する。
 平成以降の30余年間進学が増え就職は減る一方と記憶しているがいきなり就職希望が倍増したのは家計の厳しさはあるものの、生徒保護者とも現実的選択をした結果と、個人的には見ている。
 16日からの就職試験解禁によって金融、農漁業など団体の合格者が決まり、不合格になった生徒達が次の試験を受け狭き門→広き門となって行く過程で進学組に志望を変更するケースがあるも今年は企業側の人手不足という背影もあり、増加した求職者は100%とは言わぬもそれなりの結果が出る可能性が高いのでないのか。
 若い人が地元に残るのは夫々の地域として有難いことで、生徒側は選り好みせず就職内定を得るべきだろう。
 求人の多い産業は建設業が81人と断トツに多く、以下▽製造業28人▽小売業26人▽医療・福祉24人▽複合サービス22人▽他に分類されないサービス21人など。
 建設業は一時、〝3K職場〟の代表格との悪評たつも業界の自助努力により改善されてきているので高校生は安心し受験してみてはいかがか。
 稚内での人手不足も新規高卒者の就職組増加により曙光が射してきたといえよう。