医院使い分け、白い道に工夫など 慶應義塾大学 実習成果報告会で提案

 地域診断のため、稚内を訪れていた慶應義塾大学の学生による実習成果報告会が30日、保健福祉センターで開かれ、学生たちは住民へのインタビューなど通し、課題解決に向けた計画を提案した。
 医学部、薬学部、医療看護学部の学生30人は、19日から来市し各業界の人へのインタビューや交流を通して稚内が抱える教育、医療などの課題解決策を探ってきた。
 30日、集まった学生や市民らを前に、工藤市長が「稚内の街の人からヒアリングし、どんな報告があるのか興味が尽きない。1500㌔と離れているが、出来た縁を今後も繋いで行きたい」などと挨拶した。
 このあと、南、北、潮見が丘、東地区の順番で学生が発表した中、慢性的な医師不足や市民の医療への意識をピックアップした学生は市外から医師を呼び込む開業医誘致制度について広告掲載し話題作り、稚内から医師を輩出するための特進コース設立や医学生への奨学金制度を設けること。市民には外来診療をクリニック、市立病院のような中核病院は入院治療を施す場所として使い分けることで納得のいく医療が受けられることなど提案していた。
 このほか、稚内では子育て環境が充実している一方、急速な人口減少が深刻な状況にあり、既存の観光地や施設を活かした観光都市化を目指すことで街の活性化に繋げるプランとして白い道を歩行者天国にすることや車道と自転車道を併設し、撮影スポットを設けること、一次産業を活かしアーケード街を食べ歩き街にすることなど提案した。
 学生らは31日、帰途に就いた。