時の話題 「心中穏やかでなし」

 ペンを走らせる前には幾つものテーマがあった筈なのに、いざ認めようとするとテーマが浮かんでこない。この事象は最近、とみに多くなっている。老齢化と言ってしまえば片付くのだが、それにしても情けない。そんな訳で手の爪を切ることにした。
 しわや頭髪が薄くなるなど老化現象は見られるが、何故か爪だけ雨後の竹の子がそうであるように停滞することなく伸びる。大袈裟な表現すれば一つだけ老化に抵抗しているかのようだ。
 加齢と共に体の不調・故障が随所に現れるので少しでも健康を維持しようとゴルフ(パークゴルフも)をしたりウォーキングなどし万歩計で例えば1万歩をクリアすると小躍りする。記録を達成したからと言って健康体を維持できるものでもないのに取り付かれたかのように喜ぶ。
 以前、知りあいの一人が「健康に気を付け過ぎは病気になる」と示唆に富んだ言葉を言っていたが、当たらずと言えずとも的を得ている。1億総健康化社会なのである。
 個人的には2年ほど前から晩酌(家飲み)を止めた。公けの場で飲む機会が多く、ほぼ1年365日飲み続けていることに不安を覚えたほかに、夕方以降のプレス紙未配に対処するためであった。
 晩酌を止めた以降の体調はすこぶる良い。肝臓、中性脂肪などの数値が下がり妻ともども安堵している。夫婦は一体と言うことになるのかね。
 夏は暑さ感じぬほど穏やかに過ぎた。本来の稚内に戻った感するも至る所で地球沸騰化の兆候が見え体どころか心中穏やかでない。