時の話題 「野良人参と紫陽花」

 ヨーロッパ原産の白い花びらが清楚で美しいノラニンジンが数週間前から稚内の至る所で見られるようになりプレス社屋玄関にも飾っている。
 この花はセリ科ニンジン属の植物で、英語でワイルドキャットと名前がつけられているように繁殖力が強く野生化したので「野良人参」との呼称もある。
 野良というと野良猫野良犬と良いイメージがないものの、白い花の美しさは無粋な筆者でも気になるほどで食べることもできるが、ドク(毒)ニンジンに似ているのでお浸しにし食べる際には注意が必要だ。判別法として毒ニンジンの茎には赤い斑点があるが見分けがつかない場合は食べないようしたらいい。
 花言葉は「幼い夢」食べると幼い頃を思い出すことからのよう。
 確か昨年の春先はタンポポが異常なほど咲き郊外だけでなく住宅街の空き地も黄色のじゅうたんのようになった。いつもの年なら散歩コースの若葉公園の一角にアジサイ(紫陽花)が咲く頃だが、自宅近くでプレスを配達しているため公園に足を伸ばすことがなく、お目にかかれないのが寂しい限りだ。
 元々、無粋なのでわざわざ見に行こうという気持ちとて無く、小紙の配達態勢が整うまではお預けだ。
 ノラニンジン、アジサイと花の話を記すも10年ほど前の自分と比較すると信じられないことで、だからして人間は変われることを立証したことになる。
 古希を間もなく迎えようとしている爺でさえ変われるのだから、なかんずく将来が定まっていない若者の変貌は容易かろう。唯一無二の人生送らねば。