時の話題 「いいマチです」

 6万人近くあった人口が半数の3万人まで減り、かつ高齢者とされる65歳以上が全人口の30%以上を占める現状にあって先細り感は否めない。「稚内に将来はない」などと大方の市民は考えるだろうが、人口ばかりが能でなく、それなりの人生を送ろうと日頃思っている人には絶望感はなく、最寄りの旭川や札幌に転居するよりは知人・友達もおり、お年寄りに限定し述べるなら間違いなく当市に住み続けるのがいい。
 今や情報網(メディア)が発展し何処に居ても先端的な情報が得られ、現実、東京や大阪、名古屋の3大都市圏にある企業の営業活動が当地でも活発になっている。
 例えば商品販売、求人での商戦は先鋭化し地方からの折り込みチラシは以前より格段に増え、地元店としのぎを削っているものの、資金力に負ける地元店とて商売上の結び付きと互いに知れる関係もあってか、踏ん張っている。
 〝稚内物価〟と言われ遠隔地であるが故の他より高めの価格は一時より下落し、それは情報の広範化も相俟って進出店と遜色ない段階まで来ている。
 子どもらを頼って札幌などへ転出する高齢者の話を聞くに及んでつらつら思うのは、何も知らない土地で余生を送らなくてもいいということだ。
 当地には市役所はじめ道と国の出先機関があり行政の方も住民サービスに怠りなきようにと精励している。一部公務員ボケしている職員がいるやに聞くがそれとて些末なことで個人的見解だが無理せず暮らすにはもってこいのマチである。書き忘れたが稚内の事だ。