市街地のクマ出没訓練 市など参加 12件もの目撃に対応し

 稚内署、市などが30日、市営球場駐車場でクマ出没に対応する訓練を行い、関係機関の情報共有と駆除など一連の対応を確認した。
 稚内では今年7月29日までに31件のクマの目撃情報があり、このうち12件は市街地に出没していることなど受け、住宅街でクマが出没した際の対応訓練が行われ、稚内署、市、宗谷総合振興局、北海道猟友会稚内支部、錦産業、稚内消防署から35人が参加した。
 平日の夕方、市営球場駐車場の草むらにクマが出没し、目撃した人から通報があったことを想定し訓練が行われ、稚内署から連絡があった市、振興局など関係機関や団体は関連する部署への対応を要請した。
 現場では、市の広報車がクマ出没を住民に周知し、稚内署と協定した錦産業がドローンを飛ばし草むらに潜む熊を捜索。その後、駐車場に現れたクマを爆竹で威嚇したものの、逃げないことから警察官職務執行法に基づきハンターが模擬銃を発砲し駆除するまで一連の対応を行った。
 訓練後、稚内署の北川千展地域課長は「実際はクマがあちこち移動することを考え対応に当たらねばならず、引き続き連携し反省など踏まえ対応して行きたい」、市の新田農政課長は「実際はもっと対応に時間がかかるものと考え、今後の対応を検討し役立てて行きたい」などと話していた。