飛鳥Ⅱ 稚内寄港 5年ぶり 乗船客720人 観光楽しむ

 郵船クルーズの豪華客席「飛鳥Ⅱ」(5万444トン・全長241メートル)が30日早朝、令和元年以来5年ぶりに稚内港に入港した。乗客は出港の夜まで市内観光など楽しんだ。
 飛鳥Ⅱは27日から「夏の北海道クルーズ」の航海中で乗客720人・乗員510人の1230人が乗船。東京を発ち大平洋側を北上し津軽海峡を通過し日本海を北上。30日午前6時に末広埠頭東岸壁に着岸した。
 午前9時から船内で稚内市による歓迎セレモニーがあり、川野副市長が「5年ぶりの寄港、大歓迎致します。日本全国は猛暑ですが、稚内は寒いので体調には気を付けて稚内の自然、食を堪能して下さい」と歓迎の言葉を述べたあと、渡辺恒介船長ら乗員3人に花束と稚内市から南中ソーランの長半纏が贈呈された。
 乗客350人余りは旅行会社が手配したバスに乗り込み宗谷岬や宗谷丘陵、豊富のサロベツ湿原など観光する一方、50人余りが朝一の利礼航路フェリーに乗船し、利尻・礼文観光を夕方まで楽しみ、船に残った乗船客は埠頭内に開設された「みなとカフェ」で稚内の食を堪能した。
 タクシーで一日市内観光をする乗客もおり、ノシャップ岬や北防波堤ドーム、副港市場、宗谷岬、白い道などを見学した。案内したタクシー運転手は「生憎の天気ですが、稚内を楽しんでほしい」と話していた。
 船の到着後、巨大な船体を見ようと多くの市民が岸壁まで足を運び、午後1時からの船内見学は350人以上の応募者から選ばれた60人が、豪華な船内を見て回った。
 午後8時30分から出港アトラクションとして▽大谷高吹奏楽部の演奏▽稚内海峡太鼓保存会による海峡太鼓▽南中ソーラン演舞と育英館大のプロジェクションマッピング演出があり、午後9時の花火打ち上げを待って小樽に向け出港する予定。