訪問介護、窮地に 市議会民文委 部活地域以降も問題

 19日、市正庁で市議会民生文教常任委員会が開かれ、介護サービス、部活動の地域移行など審議され、訪問介護事業は1社辞め、もう1社も廃業を検討しているなど由々しき実情にあることが判明した。
 井川長寿あんしん課長が現在7事業所ある訪問介護事業所について「経験が求められ、従事者の高齢化も問題に」と説明。それに対し安藤議員(日本共産党)が「人材確保の問題だけでなく経営自体が成り立たないのでは」との質問に、井川課長は「初任者研修を行っており人材確保に努めている」と答えた。
 安藤議員は「訪問介護を担うホームヘルパーの待遇改善を進めるべきで国の報酬以外に稚内市として独自の助成を検討するべきでは」と詰め寄ると井川課長は「介護報酬は3年に1度、国が決めるもので市として独自助成は考えていない」と一蹴した。
 続いて相内議員(志政会)は「再来年にはもう1カ所、訪問介護事業所を閉鎖するという話を聞いており、現場から悲鳴が上がっている。事業所によっては日曜日での稼働を求められており経営は厳しい状況にある」と述べると「年1回、検討会を開いている」と市側の現場の窮状に寄り添おうとしない姿勢が際立った。
 相内議員の追及は勢いを増し「市に対する不満はごまんとあり、その不満をオープンにし検討するつもりはないのですか」にも井川課長は頑として首を縦に振らなかった。
 部活動の地域移行については伊藤議員(市民クラブ)が執拗に食いさがり「佐伯教育長が先般、秋から実施したいとの発言あったが仕組みばかりか受益者負担の課題もあり、前もってスケジュールを示し実施すべきでは」と要望すると、山川義務教育学校対策監は「7月23日期限で先生らに対しアンケートを取っており、その集計を叩き台にし、報酬や保険、練習所確保、ユニフォームなど受益者負担を検討して行きたい」と答えると、伊藤議員は「一律に行うことでなく、更に申せば地域移行に伴う部活動有料化は絶対やるべきでない」と思いの丈をぶつけた。
 稚内市への訴訟結果については、開業医誘致条例の車両リース拠出は条例違反で工藤市長に対し(支出した)283万6800円を返却すべきとしての訴えで、令和元年の地裁判決は市長に対し返還を求めたが、高裁の控訴審では原告の訴えが棄却され、その後、原告が最高裁に上告しなかったことの報告があった。