「地方の医療支えたい」 勤医協医院での研修終えた押切医師

 北海道勤医協中央病院の初期研修医として1〜5日まで宗谷医院で実習した押切謙一医師(35)が稚内での研修を終え「何かと充実した1週間でした。今度は一人前の精神科医として出来ることを増やし、また何かの機会に稚内を訪れたい」と語った。
 押切先生は札幌出身。高校卒業後、法政大学経済学部に進学するため上京し、卒業後はシステムエンジニアとして働いた。
 就職後、青年海外協力隊の一人としてカメルーンに渡った経験や当時、年間に日本国内で3万人もの自殺者がいることを知り「自分にはまだ出来ることがある」との思いを強くし医師の道を目指す決心をした。
 その後は、派遣会社で働きながら勉学の日々を送り、群馬大学医学部に入学。在学中に自分探しのため道内を一人旅する道中、立ち寄った網走の居酒屋店主に「やりたいことをやらないと後悔する」と言われ、医療に対する思いは深まった。
 在学中、宗谷医院での実習や宗谷友の会との交流を縁に、中央病院での初期研修医として再び稚内での研修を終えた押切医師は「都市部の病院では難しい生活習慣に関する管理など患者さんとのコミュニケーションを多く学ぶことが出来ました」と話していた。
 宗谷の特徴としては医療機関の横のつながりが強く、街が一体となり課題に向かい状況を変えようとしているとし「必要な医療を提供しようという意気込みを感じます」と話していた。
 自身も「独り立ち出来るスキルを身に付け都市部よりは地方都市の医療を支えて行きたい」と今後の思いを語っていた。