前浜のコンブ漁始まる 稚内漁協 実入り悪く量も少なめ

 稚内前浜のコンブ漁が始まり、採取したあと浜で天日干しする夏の風物詩の光景が広がった。漁を終えた漁師は「場所にもよるが、全体的に実入り悪く量が少ない。これからに期待したい」と話していた。
 今年も旗無しの自由操業となり、コンブ漁が解禁された8日以降雨が降ったり天候がぐずつき採取する漁師は少なかったが、朝から晴れて穏やかな天候となった11日、前浜に出漁した漁師は午前5時に漁を開始。宝来や恵比須、ノシャップなどの漁場には磯船が集まり、漁師たちはねじり棒でコンブを採取し岸に上げられたコンブは家族らによって天日干しされていた。
 宝来地区の前浜で漁をしていた漁師は「実入り薄く量が少ない。2年目のコンブでも、1年もののように薄いものが目立ち、温暖化の影響なのか」と今後のコンブ漁を心配していた。
 干す作業をしていた女性は「夏になればコンブ漁を毎年手伝っているが、今年は本当に薄いのが多い。時期にもよると思いますが、昔はもっと色も黒く艶があった。ただコンブ漁が始まると稚内に夏が来たことを実感する」と話していた。
 実入りが悪いとして今はノナ・ウニ漁を優先しているベテラン漁師は「毎年7月20日過ぎからお盆までが質の良いコンブになる。今年どうなるか分からないが、来週からはコンブ漁を開始したい」と今後に期待を寄せていた。
 コンブ干し作業を見ていた名古屋からの旅行者は「朝、散歩で海に出かけたらコンブ干しを見ることができ、旅の思い出になりました」と話していた。