時の話題 「神社例大祭」

 今宵の宵宮祭から3日間、北門神社例大祭が執り行われる。昨年同様、3日間とも好天に恵まれるようなので何よりである。
 露店は160店ほどと公表されているが、筆者が子どもだった頃優に300店は出店していた。北防会館~真言寺下まで海・山両側に軒を連ね香具師の口上に非日常の怪しさが潜んでいる気が子ども心にし年に一回の華やかさを演出していた。
 70歳でも祭りに特別な感情があるのだから今が10代の絶頂期である孫たちの期待は半端なものでなかろう。
 来月のみなと南極まつりなどもそうだが、外でやるイベントは天候次第で成功か否かが決まり正に神頼みの感あるが、その神頼みも人次第となるので神さまが降臨する例大祭は勿論「稚内に住む人達の一年間を称え今後の糧にしてもらいたい」との意図を含んでおり老若男女、大いに3日間を楽しむよう願っている。
 人の数が減り自ずと携わる関係者も減り規模が縮小している。御輿渡御しかり海上渡御しかりである。しかし規模縮小は世の理であり少ないながらも続けていくことが力とは言わずも大切なことであり、その世代々々でイベントを楽しみ日常に幾らかでもインパクトを与えれば珠玉な人生の一こまとなろう。
 例大祭後には稚内漁協の昆布漁が解禁され1月後お盆を迎え秋の気配を感じる季節になる。同じ事を繰り返している人間社会にあって子ども達の喜ぶ姿を見るのは長く生きてきている大人にとっても楽しみとなる。
 生者必滅の世にあっての泡沫とは言え享受したいものである。