時の話題 「遠方より友来る」
九州の福岡から学生時代の東京の同じアパートに住み遊び仲間だった友が先週末、奥さまと来市し楽しい時間を過ごした。
学生の頃と言っても互いに浪人生でほとんどが3畳一間。部屋の壁もいびきが聞こえるほど薄く、プライバシーが無いと言ってもよいほどの安アパートだったので連帯感は強かったのであろう。年賀状の遣り取りはしていたが、この友人にはほぼ50年間会っておらず、頭髪は薄くなっていたが、眼光の鋭さは変わらず、おしゃべりなのも昔のままであった。
呉服屋の子息なのだが着物は商売にならず今はネット販売を手掛けインドやドバイなどにも販路を広げロータリークラブ会員と言うのだから事業は成功しているのであろう。
数十年振りに再会しても当時の事を思い起こすそうだが、Tさんは20代の頃と変わらずおしゃべり上手で人の気を逸らさない天真な性格で「今度は君の方が福岡に来ればいい」と頻りに来訪を促していた。
元気なうちに長めの旅を企図している筆者にとって渡りに舟のような要請であり、そんな遠くないうちに実現しようと思っている。
ただ社を留守にするのはいいが、現有勢力(特に記者ら編集)で出来るのか―が心配の種であり「任せれば出来るものだよ」と他人は言うものの、恥ずかしくない新聞が出来るのか悩みは膨らむ。
この話は事業承継にも及ぶものであり、次の人にバトンタッチする際、余計な心配を吹き払い次を託せる人物に潔く譲る度量も現役の社長さん方には求められる。