新時代の札響演奏会 22日午後 クラシックにこだわらず

 札幌交響楽団の第39回稚内定期演奏会が22日、文化センターで開かれ、この数年の不入りから転じ600人(昨年350人)もの聴衆は音楽の調べに満足していた。
 クラシックの名曲を演奏する厳かな雰囲気だった演奏会は今年、入場料を下げ新たに65歳以上のシニア割引を設け、演奏曲目にスクリーンミュージックを入れるなど、来場者の掘り起こしが功を奏し入場者が増え新たな展開への布石を打った。
 スメタナの歌劇「売られた花嫁」序曲、グリーグの「ペール・ギュント」第一組曲など舞台音楽の第1部を終え2部では「風と共に去りぬ」のタラのテーマなど垂涎の映画音楽が演奏された。
 今、若手の中で最も注目されているNHK交響楽団、東京フィルハーモニーなどでタクトを振る角田鋼亮氏の指揮はめり張り利き、曲と曲の合い間に体験を通した解説をするなどし、取っ付きにくさがある交響楽団の評判の払拭に努めていたのも印象的だった。