最北のメープルシロップ 斉藤さん イタヤカエデ樹液から作る
市内の会社員でインターネットデザイナーの斉藤嘉仁さん(40)=緑5=が、坂の下地区にある実家の裏山に育つイタヤカエデから樹液を採取し「最北のメープルシロップ」を作り、数量限定(1本60g・2592円)でネット販売することになった。後日、インスタグラムで販売開始を告知し「稚内の新たな名物になれば」と期待を寄せている。
美深町でシラカバの樹液から作っているメープルシロップの味に惹かれ、興味を持つようになった斉藤さんは2021年に実家の裏山を散策してみると、メープルシロップを作るのに適したカエデの木が何十本も自生しているのが分かった。
最初の年はネットで見よう見まねで挑戦し採取できた量は少なかったが、今年2月下旬から1ヶ月ほどの期間50本のカエデの木から350㍑の樹液を採取(シロップになる量はその60分の1)する事ができた。シロップにするには煮詰め作業を何度も繰り返し糖度を高めて完成させる。
今年4月には萩見の焼き菓子店「おやつ屋やまぐち」でシロップを使ったバターサンドを販売したところ、評判が良く「メープルシロップが欲しい」という声が多く寄せられたことから余っていたシロップを今回、販売することになった。
ネット販売に向けて19日、友人の武重謙さん・美亜さん夫妻が経営するゲストハウスモシリパの厨房でシロップの瓶詰め作業が行われた。熱処理を行い、1本当たり60㌘の量が入ったシロップを50本ほど作った。今後、自宅で瓶にラベルを張って完成させる。
昔から釣りや川など外遊び(アウトドア)が好きだった斉藤さんは写真家として活躍する斉藤マサヨシさんを父親に持つ。「子どもの頃から父によく外遊びに連れてもらい、今回のメープルシロップ作りも、自然遊びが大好きなので興味を持つようになりました」と話し、今回の商品化に「坂の下は漁師をする人や住む人も少なくなり、元気がなくなっている。メープルシロップを通じて、自身が生まれた地域が少しでも元気なれば」と話していた。
インスタグラムのQRコードからアクセスし、販売開始の際には告知する。