時の話題 「稚内の先行きは」

 稚内市職員に続き国と道出先機関へのボーナスも今月末には支給される。給与の官民格差が指摘され久しいが稚内など地方都市こそギャップは大きく、市民の生活レベルの差が顕在化している。
 市職員の夏の平均賞与は72万円余りであった。稚内の民間会社でそのレベルに近付くのはほぼなく、高齢化社会到来もあって稚内市民の生活レベルは現在相当低下している。
 沖底業界に往時の勢いはてんで無く、代わった土建、観光業界の裾野は沖底に比べると広くなく、そういう意味合いではホタテ漁が宗谷漁協の年間生産高100億円が物語るよう広いのだが、福島第一原発処理水の海洋放出による中国の日本産水産物全面禁輸措置2年目の今年、ボディブローのようにじわじわ効いてきており、道漁連が冷凍ホタテ貝柱の欧米向け輸出の増伸を企図し稚内市内に新たな工場を建設することを過日開かれた総会で決めた。
 輸入品の規制は緩いものの、何やかやとうるさい中国向け輸出が再開されたにしても今後、徐々に減らす政策が必要だ。
 猿払産に比べ小型のため商品価値が高いと言えなかった宗谷産ホタテを本州などの親戚・知人に贈ると総じて評判は良い。
 高齢化社会到来によって外国人実習生の役割は高くなっており、その点では労働力不足をカバーできる加工含めた水産業の重要度は増しており、観光は別にし公共事業主体の土建業界の前途は暗い。
 経済は生き物であり創造性あれば未来が明るくない業界にも陽が射すことあるので努力を怠らないことだ。