時の話題 「型に嵌まるな」

 真面目なのはすこぶる良いことなのだが、型に嵌まり融通が利かない事がある。性格にもよるが、だいたいが学生時代の成績が良い人に多い。東大など一流大学を出て官僚になる人にその傾向が強く日本政治の硬直性に繋がっているようなので厄介である。
 行け行けどんどんの高度成長期は白紙に絵を描くかのようになるようやる事すべてが新しいのだから思い通りに運ぶのだが、成長期を過ぎ安定期に入ると型に嵌めるだけでは成長→安定の法則は崩れてしまい〝失われた30年〟と言われたように停滞してしまう。
 要は成績が良いだけでは役立たずになる訳である。創造性が乏しいからである。
 言われた事を実行するのはそんな難しいことではない。成績優秀な人は解答は得意なのだが、答を導くまでのプロセスに関する思考力が弱く型に嵌まった答を出そうとする。答は正確でなければならないが、答を出すのに頭をひねっただけでは創造性など生まれる筈はなく、然して日本の学校教育の破綻性が窺われる。
 先日、NHKで官僚を辞める若者が増え、官僚になろうとする若者も減っているという報道があった。優秀な若者が民間企業に流れるのだから官僚におんぶに抱っこの政治家のレベルが劣化するのも致し方ないのか。
 阿呆な政治家に係るより自分のスキルを磨けるような仕事に就いた方がいいというのは普通の考え方である。
 国だけの話でない道も稚内市だってその傾向が強くなっているようで、公務員を辞める理由のひとつになっている。