時の話題 「花からカスハラへ」

 礼文島でしか自生しないレブンアツモリソウが今、開花の時期を迎え島には多くの観光客が訪れている。遠方の地なのには拘らずリピーターも少なからずおり可憐な花に魅せられている。
 一時、盗掘などにより数を減らしたアツモリソウだが、観光客への徹底した啓発によって花泥棒は減少するも完全には無くならず、罪を犯してでも入手しようとする愛好者は今だにいるようだ。
 九州の知人も車で縦断し見頃になる6月には稚内に辿り着きたいと1カ月ほど前に電話あるも、その後何の連絡もないので最北端まで来る予定はおじゃんになったのか。東京の学生時代以来、50年ぶりの再会に胸も弾んでいたが70歳にもなると自分自身ばかりでなく奥さんの体調もありそれよりも何よりも父母が在命中なら不測の事態も起こり得るので予定通りにはいかない。
 無理が通れば道理が引っ込んでしまう。カスタマハラスメント(カスハラ)は顕著な例であろうか。何百万円とか値が張るなら未だしもたかだか数千円程度でお客だとの優位性でもってカスハラしようとするのは筋違いも甚だしい。
 信長の人生五十年と言わずも80年生きるかの人の一生で角を突き合わせても埒が明かない。人は助けあい妥協しながら落し所を探るものだが、一方的ではまとまるのもまとまらない。「お客様は神様です」発言の三波春夫さんの真意は「お客様はお金を払い楽しみを求め入場するので代償を持ち帰っていただけねばならない」。お客は絶対者なのだとの意味あるそうだが、それにしてもね。