熊野古道の成功見倣い シンポジウム きた北海道DMO
きた・北海道DMO主催の先駆的DMO(Aタイプ)に学ぶシンポジウムが9日午後、サフィールホテル稚内で開かれ、出席した観光関係者ら90人余りがDMOの先進的な取り組みで成功している世界遺産「熊野古道」での観光事業を今後の参考にしていた。
きた・北海道DMOが今年3月末に観光庁から本登録されたことを踏まえ、構成する稚内市、礼文町、利尻町利尻富士町が一体になって地域経済の活性化に向けて進むべく開かれたもので、開会に先立ち中場代表理事が「熊野での取り組みを参考に今後の発展に繋げたい」と挨拶した。
国内340余りあるDMOの中で評価がトップに位置付けられている和歌山県田辺市熊野ツーリズムビューローの多田稔子会長が「世界に開かれた持続可能な観光地をめざして~熊野古道からKUMANO KODOへ~」と題し、20年以上前に熊野古道が世界遺産に登録されてからのDMOへの取り組み、外国人に寄り添ったローマ字表示の看板や多言語パンフレットなど環境整備、コロナ禍で一度は落ち込んだ旅行事業が昨年度の売り上げが8億円を超えV字回復したことなどを紹介し「昨年の売上97%が地域に還元されている。宿泊業や交通、飲食、ガイドなど地域でお金を使い、再び地域でお金を循環させることが大切」などと地域と共に歩む観光の姿を強調していた。
パネルディスカッションではでは工藤市長や中場きた・北海道DMO代表ら関係者6人が多田氏の講演内容を踏まえ意見交換した中で、中場代表は「観光産業は人手不足や2024年問題など様々な課題を抱えている。皆さんとの連携を深め地域の魅力作りを強化していきたい」などと述べていた。