時の話題 「救いようない人々」

 政界というのは矢張り化け物が行き交う魑魅魍魎の世界だ。自民党の旧安倍派を中心にした派閥の政治資金パーティ券の裏金事件から端を発した政治資金規制法改正を巡る鞘当てで昨日まで敵だった維新が自民党案に乗っかり、同じ穴のムジナ呼ばわりされた公明党も自党の案が認められたとしてちゃっかり与党として受け入れた。
 政権与党の一角を占める公明党は仕方ないとしても維新の会の歩み寄りを見ていて思ったのは野党第一党を確保しようとする維新の野心の強さだ。馬場代表は立憲民主党を痛烈に批判するばかりでなく自民党に擦り寄る〝男芸者〟のような破廉恥さには呆れて物も言えない。
 これでこの改正案は来週には衆院で成立し参院に送られる。
 還元された裏金を政治家本人が支部長を務める団体に寄付した格好にし税還付を受ける自民党の政治家が少なからずいることが分かった。〝ダブル還付〟を受け平気の平佐でいるのだから政治家というのは何と業突張りなことか。泥棒に追い銭よろしく広義に言えば税金を我が物にする大黒屋ぶりには怒りが収まらない。
 衆院の6月解散説は流れる雲行きだが、何時であれ選挙になれば悪行の限りを尽くす政治家には投票しないことだ。
 国会議員の悪辣ぶりに比べ地方議員の慎ましいこと。稚内市などの議員は大して多くもない報酬に遠慮しいしい仕事に忙殺される姿を見ていると憐れにさえ見える。とは言っても人の物言いを早合点するものでない。誉め殺しという言葉あるのお忘れかな。