時の話題 「陽報あり」

 稚内ロータリークラブの本年度(6月末まで)職業奉仕賞に決まった阿部珠算塾代表の阿部幸子さんから受賞の謝辞が本紙に寄せられた。
 本来、表彰する稚内RCに先んじて載せるのは失礼なこととは思いながら本紙と阿部さんとの長い付き合いもあり許して頂く。
 「正直、驚いております」との書き出しから始まり、ピーク時には18塾もあった算盤塾が今では阿部さんの塾だけになったとして「この年になるまで沢山の方々からの力を得ながらここまで続けてきました。この先、いつまで出来るか分かりませんが、身体の許す限り後継者を探しながら珠算教育という職業に誇りを持って頑張ってまいりたい」などと認めてあった。
 筆者は小学5、6年生の頃、恵比須にある稲荷神社近くの珠算塾に通っていたことがあった。4級までしか取得できなかったが、60年近く経った今でも比較的数字に強く、頭に算盤を浮かべ暗算が出来るのはその時の算盤塾での成果だと信じている。
 RCのニュース配信後、伊戸川会長と公けの席で会った時「素晴らしい選定でしたね」と申し述べた。長い間地道にやってきた職業人に対しスポットを当てる確かな眼力を称えたのだが、伊戸川会長は聞こえたのか聞こえなかったのか知らねど反応は示さなかった。
 この種の表彰はロータリークラブ、ライオンズクラブでも実践しているが、その年度の対象者選定は団体の役員に負うところが大きい。陰徳あれば必ず陽報ありではないが、善行を積んだ人にはいい報いがあるものだ。