時の話題 「男達の生き様」

 先日、NHKで放送していた「新プロジェクトX挑戦者たち」の島根県隠岐郡海士町の前町長はじめ幹部職員の奮闘の様子を視聴した。
 元々6千人余りの人口しかない離島とはいえ山内道雄さんが町長に就任した頃、町の人口は2千人台まで減り港湾整備など公共事業による公債費返済で町財政は破綻寸前まで追い込まれていた。
 町長に就任した山内さんは自らの報酬を半分に減らし幹部職員も一律月額10万円という給与カットを断行し借金を減らすのに努めると共に、町再生には若い人を呼び込まなければと唯一ある高校で留学制度を設けるなどした結果、人口は徐々に増え、留学した地方からの高校生の中には町に残り漁師に従事する若者まで出るようになった。
 山内前町長は今年2月に亡くなってしまったが、再建当時財政課長や土木課長だった幹部職員が出演し苦労話を語る中で気付いた事があった。「仮に稚内が破綻寸前まで追い込まれたとしたら市の幹部職員は海士町と同じことができるか」ということである。
 NHKで放送されたのだから全国で稀有な再生劇であったのだろうが、胸打つものがあった。
 離島というハンデを抱えるのは利尻、礼文とて同じであり、3町とも人口減少に呻吟し町作りに苦労する一方、これまたNHKで放送していた礼文の80代のトド撃ち名人の一言「トドを苦しませず一発で仕留めること」との言葉は胸に響いた。
 海士町元町長らと礼文の老漁師の生き様を見るにつけ我が身の拙さを知った。