時の話題 「倒産増勢」
稚内では暫くないが旭川など上川地方で倒産が増えている。東京商工リサーチ旭川支店から毎月、道北地方の企業倒産状況が送信されてくるが、春先は毎週のようにFAXがあり、過日、来社した旭川の取引き業者が「隣りの会社が潰れてしまいショックを受けています」と気持ちを吐露していた。
稚内では一昨年暮れの創業100余年の金子陶器店(アーケード街)以来、倒産はないようだが、火の車の土建会社がいるとの話を側聞しており、その会社は友人の社長らに相当額の借金があるようで踏み倒された人もいるとの話も伝え聞いている。
このように稚内でも倒産予備軍は何社かある。新型コロナウイルス感染症のパンデミック下のゼロゼロ融資を受けた会社の返済が既に始まっており、元々潰れそうだった〝ゾンビ企業〟の倒産が増えるに違いなく、細々と経営してきた会社もここに至って万策尽きて万才するケースも出てくるのでないか。
追討ちをかけるのは人口減少で、稚内だけの問題ではないものの製造業や販売業の会社の首を真綿で締めるかのような状況にあり、加えて後継者問題もあり、自分の代で閉める会社(店)も多いやに聞く。
この問題に関し政治家は「いかんともしがたい」と自らの非力を認める発言をするが、政治家たる者、後ろ向きな発言は慎むべきで「困難な状況だが国民の皆さんと協力し合い打開して行きましょう」などと自らと国民を鼓舞する見解を述べるべきでないのか。
市民に夢を抱かせるのが政治家の本分だ。