亡き妻想い徒歩旅 熊本県の男性 日本一周途中に稚内寄る

 熊本県から徒歩で日本一周の旅をしている久保哲男さん(69)が7日午後、稚内入りした。稚内駅前広場で本紙の取材に「稚内で何日か休息したあと、宗谷岬からオホーツクの旅を満喫し年内までにはゴールしたい」と。
 5年ほど前に59歳で亡くなった妻の供養のため四国八十八ヶ所巡礼の旅を終えたあと、これからの人生を元気に過ごす力を試す場として日本一周の旅を決意。昨年2月10日に自宅がある熊本県を発ち九州を回り、日本海側を一日20~30㌔のペースで歩き、4月下旬に北海道に入った。道内入りしてからは札幌、留萌、羽幌など日本海沿いのオロロンルートを歩いて7日昼過ぎ、稚内に到着した。
 1万㌔ほどの距離がある日本一周旅は、稚内到着で行程の半分を終えた。本州は2~3㌔ほど歩くと民家などがある一方、北海道は20~30㌔先まで民家や自動販売機も無く「歩いてみて、北海道の大きさと広さを感じました」と雄大な自然を実感したという。
 亡くなった妻の出身地はオホーツクの雄武町で、今回の旅は妻の故郷を訪ねることも目的の一つだとして「妻がどんな街で過ごしたかを見てみたい」と話していた。
 北海道旅は7月中旬までには終える予定で「日本一周の旅で色んな方々に応援して頂き食事などもお世話になりました。日本は人の温かさがある国で、出会いに感謝しております。頑張ってゴールしたい」と話していた。