時の話題 「GWにあって」

 GWと言ってもこの年になるとソワソワすることもなく日がなテレビを見て暮らすのがいいところで特別な感慨はない。家族で御飯でも食べに出るのが関の山で、贅沢は敵だなどと言うほど〝大本営〟でもない。
 新型コロナウイルス感染症が抑制化され海外旅行熱の高まりがあるものの、円安によって日本に来る外国人観光客(インバウンド)が得なだけにコロナ前の19年、昨年に比べ大幅に伸びる一方、外国に行くと貨幣価値が下がり旅行を存分に楽しめない日本人は二の足を踏んでいるので、国内景勝地は何処も満杯状況のようである。
 能登半島地震で新年早々、冷や水を浴びせられ、自民党派閥のパー券裏金問題では今更だが政治家の堕落に気を揉みながらも自らの生き方を貫こうとする日本人の矜恃は称えるしかない一方、人の依頼で意図も簡単に人を殺してしまう20代の蛮行には「自分の人生に軽挙妄動するな」と説教するしかない。
 非正規の労働者が約4割占めると言われる格差社会での勝者と敗者の存在に耐えられない浅慮な若者が一生を台無しにする行動に走る姿を見て思うことがある。自暴自棄にならず不遇でも忍耐強く我慢していれば幸せを感じる日も訪れることだってあるだろう。
 昭和29年(1954年)生まれの筆者の子ども時代は7割の家庭が貧乏だった。父親は漁船に乗り母親も水産加工場に働きに出てギリギリの生活だったが、筆者と弟妹の3人の子ども達は非行に走ることなく家族全員歯を食い縛りながら辛抱強く生きてきた。真面目なら神は見捨てない。