大沼にタンチョウ飛来 けさ親と幼鳥の2羽

 国の特別天然記念物タンチョウが4日朝、大沼に姿を見せた。僅かな時間だったが優雅な姿に見物した人は「とても綺麗だった」と感激していた。
 朝早く渡り鳥を見に大沼に出掛けた70代男性が東の空から飛んできた親子のタンチョウを発見。本紙に情報をくれ、10分後の午前7時半過ぎ、記者が大沼に行くと氷の上で親と去年生まれ間もなく巣立ちの日を迎える幼鳥1羽が羽根を休めていた。
 タンチョウは氷の上で鳴き、行ったり来たりを繰り返し10分後に水門の方へ飛び立っていた。偶然、タンチョウを見ることができた旅行者は「朝一でハクチョウを見て帰ろうとしていたのですが、タンチョウを見れてラッキーでした」と喜んでいた。
 豊富、稚内で自然ガイドとして活動する嶋崎暁啓さんは「通常2~3月なると、親の縄張りから追い出されて子供は独り立ちをするのですが、何らかの理由で巣立ちが遅れているかもしれない。ただ親子が一緒に見られるのはもう最後でしょうね」と話していた。
 タンチョウは冬の間釧路湿原で過ごし、春になると産卵のためサロベツ湿原などに飛来してくる。ここ何年かは春から秋にかけて大沼や稚咲内、下沼などでも見られる。