時の話題 「政治ロス」

 3月24日千秋楽以降の〝相撲ロス〟に加え決勝戦を終えた〝センバツロス〟状態にありしばらくは放心とまで言うほど大袈裟ではないものの、穏やかではない。ず~っと仕事人間であるため、これと言えるような趣味もなくスポーツ観戦だけが余暇の柱と認じる身の情けなさに自責の念さえある。
 裏返せば生活の苦労もそれほど無く、悠々自適と明言できないまでも安穏に暮らしているからなのであろう。
 その安寧さは高度成長期を生きてきた人々に共通のようで、思考(知と置き換えてもいい)の深掘りというのか探求心が足りない。決断の早さが経営者にとって最も重要という人がおり、筆者も即決裁を金看板のごとく会社を経営してきたが、熟慮が足りなかったのではと反省する自分もいる。
 消費税が1991年4月1日導入されてから33年。当初の3%が今では10%(食料品など軽減税率の8%)となり、この国の1千兆円を超える借金返済と社会保障の充実には15%どころか20%まで税率を上げなければならないという困難とも言える窮状を自民党任せにしてきた我々国民は猛省せねばならない。
 消費税導入以降、民主党に一時、政権が委ねられた時があったものの、他の時期は安定多数の自民・公明両党によって十分審議も尽くされないまま政策が決定されてきた。
 消費税を導入した竹下総理は税の負の部分を国民に開陳したが、それ以降の政権には謙虚さが足りず、とりわけ安倍氏は反省なき態度と強引さが目についた。政治ロスの代償が肥大化しつつある。