サハリン事務所移転 市長記者懇 道の施設内に間借り
工藤市長は25日、記者懇談会を開き、ロシアによるウクライナ侵攻で休止状態だった稚内市のサハリン事務所を4月1日から道の事務所内に移転(間借り)することを明らかにした。
稚内市のサハリン事務所は2002年に開設し現地と稚内との経済や文化、人的交流を支えてきたものの、22年のウクライナ侵攻後賃借料などの問題で休止状態となっていた。
先週21日に担当職員が道庁へ行き、事務室の使用承認の手続きを完了したとし、事務所手続きの際の21日に鈴木知事を訪問し感謝の意を伝えてきたという工藤市長はこれまでのサハリンと稚内との交流を踏まえ「今のロシアのやっている事を認めるということではないが、この時点でサハリン事務所を無くすことは逆に、向こうの住民に間違ったメッセージを送ってしまう可能性がある。存続のために北海道の事務所内に一定のスペースを借りることができた」などと述べた。
昨年秋に北海道で開催されたアドベンチャートラベル・ワールドサミット(ATWS)の北海道実行委員会総会が今週27日に札幌であり、総会に出席する市長は「ATWSの時メディア関係者が北宗谷に訪れたこともあり地域の魅力を広めていきたい」と語り、4月15日には稚内でライオンクラブ国際協会第70回地区年次大会があり「関係者700人余りが稚内入りする。市民の皆さんには歓迎してほしい」などと話していた。