時の話題 「春待ち人」

 北海道など雪国に住む人々なら誰しも一日でも早く春が来るのを待ち焦がれる。気温が0度まで上がり雪融けが始まると家の前の雪割りと氷割り作業をよく見かけるようになり、やっているのは大半高齢の人である。
 何も急かなくても暖かくなれば自然と雪は消える。無理することは無いとよく口にしていたが、この2年ほどで変わり、お年寄りの心中が判るようになってきた。年と共に春への思いが強くなる。春待ち人になる。
 2年前のロシアのウクライナ侵攻→戦火以来、物価高騰が顕著になってきた。毎日食べなければならない食料品の値上がりは家計を直撃し、ほかの材料費サービス費も上がり、この4月以降の運送費もドライバーの残業規制があって上昇するのが確実な情勢にある。
 大企業の春闘によって相当な給料アップが予想されるも中小・零細企業にとって1人につき1万円、いわんや2万・3万円というのは別世界の出来事であり経営陣にとって頭が痛い決断になろう。
 それと数日前にも書いたが人手不足問題がある。新しい雇用は難しくとも会社の業績を維持するためには現有戦力は堅持しなくてはならず、求人は大事だが今いる社員の給料も上げねばならず悩ましい限りであろう。
 全国的な景気回復が顕著になっているようだが、稚内はと問えば???か。支出ばかり増えては経営は立ち行かなくなる。
 春は時が経てばやって来るが、景気の春は朧げどころか姿形さえ見えやしない。外因は兎も角、中で変えられる事があれば急ぎ対策しなければなるまい。