時の話題 「人集まらず」
人を募集する側にとって強烈なフォローの風が吹いているにも拘らず、「人手不足だ」と経営者がこぼすのは何故なのか。全道平均が1倍程度なのに比べ稚内職安管内は2倍を超える月間有効求人倍率にあるのにだ。単なるミスマッチに済まされない稚内としての構造的理由があるからでないのか。
稚内職安管内(稚内猿払、豊富、天塩、遠別、利尻、礼文)の1月の有効求人倍率は2・18倍。昨年10月から4カ月連続しての2倍台だ。
北海道平均は1・00倍(全国1・21倍)と比べ格段の2倍以上も求人より求職が多いのに幾ら募集しても決まらない。直ぐ決まる一般事務員、清掃、軽作業以外の建築・土木・測量技術者、看護師・看護助手、歯科助手、電気工事・電気配線工は笛吹けど踊らず状態にある。
前記は一般的な数字上の問題で、筆者はそれ以外の稚内に潜む構造的要因があるのではと推察する。
人口が3万人を割ろうとする中、18歳~64歳までの生産者人口減と65歳以上の高齢者の増加は、これまで稚内の産業を支えてきた労働者の絶対数減少という人口の年齢構成、すなわち構造的原因によるものでないのか。
稚内の基幹産業は昔と変わらず水産業である。その水産業加工場も戦力となった女性が高齢化し外国人実習生に頼る工場が多い。建設業とて旧民主党政権下での雇用控えが尾を引き3Kなどもあって雇用を増やせず、ここでも高齢化が影を落としている。
黒字なのに人手足りずに会社を閉鎖する事態も出てきている。