時の話題 「のど自慢」

 日曜日の昼下がりにNHKのど自慢を視聴するのが楽しみの一つになっている。年を取ったからでなく物心ついた年から見ている。
 一昨日は島根県松江市でゲストに新沼謙治と石川ひとみを迎え20組が自慢のノドを披露した。65歳で腰痛解消のため柔道を始めた75歳の医者▽将来は世界に翔くエンターティナーになりたいと夢見る高校3年生▽振袖着て「夜桜お七」を歌う米国女性―といつもながらに人生模様を見せてくれる。ノド自慢というより「人生劇場」の様相を呈する。
 NHKのど自慢は戦後1年後の1946年以来続く長寿番組で今年で79年にもなる。コロナ禍の間、中止されたこともあり無観客の日も。それでも脈々と続けられてきたのは、ある程度の年齢の日本人にとって〝心の故郷〟を感じさせるからであろう。
 前日24日には地方大会のチャンピオンの選抜者が集まったグランドチャンピオン大会が開かれ、素晴らしい歌声を堪能させてもらった。
 歌は世につれ世は歌につれと言われるが、歌はまさに世の中のことをよく反映しておりその代表格がのど自慢という事になろうか。
 昨日だったか毎日新聞で読者からのコーナーに〝昭和歌謡〟の卓越さを伝える投書があったが昭和の時代には歌手だけでなく作詞家も作曲家も才能溢れた人が星の数ほどいた。
その才能がぶつかり昇華した楽曲は歌手の個性もあってヒットし今も歌唱されている。
 筆者は今、ユーチューブで青春真っ盛りだった頃の歌を聴きノスタルジーだけでない世界に浸っている。