北部風力送電が新エネ優秀賞に輝く 再エネ拡大の貢献大きく
稚内市~中川町間の延長78㌔で送電網整備実証事業を実施した北海道北部風力送電(吉村知己社長)が、経済産業省北海道経済産業局の北国の省エネ・新エネ大賞で優秀賞を受賞した。
道北地域は風が強く風力発電の適地とされる一方、これまで送電態勢が脆弱だったことから大規模な風力発電を建設しても電力を送ることができなかったが、安定した電力を供給させるべく、2018年から総事業1050億円(国からの補助4割)を投じ稚内~中川間延長78㌔区間に専用送電線を整備した。
▽大手電力会社やその子会社ではない事業者による送電網整備事業は先行事例がないこと▽軟弱な送電網の導入拡大に向けて関連自治体の協力、支援を受けることで実現し、道内での再生可能エネルギーの電力供給実現に大きく貢献▽北海道の再エネポテンシャルを十分に活用する可能性があること▽建設工事に関連しコロナ禍に苦戦する地域経済の下支えの一翼を担い、地域経済活性化に大きく好影響を与えたこと―などが受賞理由として挙げられている。
21日午後、札幌での表彰式に吉村社長と共に出席した工藤市長は「優秀賞選出は大変喜ばしく、光栄に思います。道北地域は風況に恵まれた環境でありながらも、送電網が軟弱なため風力発電の導入が進まない状況にありました。北海道北部風力送電様が国の実証事業者として選定され、約10年の歳月をかけて事業を行い、昨年春に稼働開始の運びとなりました。関係者の皆様に感謝申し上げ、稚内市として、この地域資源を有効活用させていただき、再生可能エネルギーの導入拡大や地産地消にも取り組んで参ります」などとコメントした。