時の話題 「外国人実習生」

 今、稚内の労働力はベトナムや中国など海外実習生なしに語れない。「人手不足」の大合唱が収まる様子がない中、とりわけ水産加工場にとって実習生は救世主なことは論を俟たない。
 昔、筆者の母親がそうであったように加工場での主力労働者は女性であった。時が経ちその主力だった女性が高齢化し戦力と計算できなくなり、代わりに台頭してきたのが中国人実習生だった。
 中国の若い女性達は少しでも家計の足しになるよう稚内に働きに来たのだが、就業期間が決められ母国に帰国する中、他の土地での賃金の多寡を知るにつれ経営者も賃上げせねばならず、代替の戦力としたのがベトナム人であった。
 去る10日開かれた日中友好協会の春節を祝う交流会にはベトナム人を主体に91人もの女性実習生が集まり、挨拶で川野副市長がベトナム人向けCIR(国際交流員)を市に配置することを明らかにした。人手不足に対し市としても前向きに取り組んでいくことを約束したのだ。
 中国の日本産水産物の禁輸措置など水産業の国際情勢には厳しいものがあるだけに稚内市は是非推進してほしいものだ。
 11日の南地区活動拠点センターにはベトナム人が中心となり募集したテト懇親会が開催され、今回集まった30人を超える人数を来年は集めたいと意欲を燃やしているのは力強い限りだ。
 捨てる神あれば拾う神ありと言われるが、人手不足を奇貨とし労・使ともウインウインの関係を構築し人手不足を吹き飛ばしてほしいものである。