時の話題 「楽観視できず」

 資料としてはちょっと古くなったが、財務省旭川財務事務所がまとめ昨年11月に判断した道北地方の経済状況は「持ち直している」とし、同8月判断の「緩やかに持ち直している」からは回復が顕著になっているようである。
 8月判断に比べ個人消費、観光、公共事業が上向き、住宅建設、雇用情勢は変わらず―との判断だが、道北の中心市は旭川でありスッポリ稚内に当てはまらないのが難点か。
 新型コロナが2類→5類に引き下げられ季節性インフルエンザ並みになったことからの回復力で顕著なのは観光であろう。旭川市内や層雲峡温泉街は宿泊客が増えインバウンド(外国人観光客)もⅤ字回復しているばかりでなく稚内も秋口には宿泊するホテルが無い状況になった。それと共に料金がかなり高くなり小社と付き合いがある業者がぶつぶつ言っていた。
 今は観光端境期で宿泊客は減っているものと推察されるも、稚内市内にあるホテルは趣向を凝らしたイベントを催し閑散期を凌いでいるようだ。
 車の売上は堅調のようだが、車の10倍はせずともケタが違う住宅建設の動きが鈍いので建設関連業者の状況が懸念される。
 雇用は相変わらず人手不足で求人倍率が高く、どの業界も人の遣り繰りに苦労しているようである。
 基幹産業である水産業が中国の日本産水産物の輸入禁止により塗炭の苦しみを舐めているやに風聞伝わるも2年目の今年以降が正念場となろう。
 伝えられるほど楽観視できないというのが筆者の見解である。