勇知いもの歴史編纂中 菊池氏 未来に引き継ぐ資料として
わっかない勇知いも研究会の菊池工副会長(78)=山本建設会長=は過去20年近くの勇知いもの取り組みなどを紹介した冊子を作成している。「若い人に勇知いもを引き継いでもらうための資料になったらいい」と日々、仕事の合間を見て作業に励んでいる。
約200ページの冊子は、旧勇知農協が最盛期だった昭和29年に勇知地区で年間2280トンをジャガイモを生産していたこと。その後は酪農に転換したため昭和40年以降は生産量が減り続け、昭和47年には勇知いもの生産はゼロとなった歴史などを回想している。
勇知いも復活に向けては平成元年に共成建設の初代社長・西森和一さんが農業法人「共成農産」を設立し幻といわれたジャガイモの栽培活動、20年に復活の思いに共感した大裕農場、共成建設、北武建設などの生産者、雪氷冷熱利用貯蔵庫を持つ山本建設など有志が集まり、今の研究会の前身組織「稚内地産地消研究会」を立ち上げたことなども伝えている。
勇知いもの栽培が順調に進み、わっかないブランドにも登録されて道内外に知られるようになり、研究会が行ってきた各種事業などが報道された新聞記事の切り抜きを掲載し、最近では勇知いもを原料にバイオエタノール合成に成功し、その研究成果を全道大会でポスター発表した稚高科学部の活動なども紹介している。
研究会が発足し10年を迎えた頃から冊子作りに取り組んでいるという菊池副会長は「稚高生など若い人に興味を持ってもらうため活動の記録として残しております」と話していた。