時の話題 「迷走する自民党」
政治資金パーティー券の議員個人へのキックバック(還流もしくは裏金と呼ぶ)問題は岸田、安倍、二階3派閥の解散という事態にまで発展し、残る麻生茂木など3派閥も維持するのか否か微妙なところにある。
キックバックは森喜朗氏の総理就任(2000年4月)から続いていたと言われ根が深いものがある。その旨みに個々の議員は麻薬患者のように魅せられ本道選出の橋本聖子、元北海道知事の高橋はるみ両参議までに及ぶとは。政治家の乱行には言葉もない。
一昨年夏、当時100人もの所属議員を抱えた安倍派領袖の安倍晋三元総理が凶弾に倒れた以降、8年も続いた安倍政権の膿があぶり出されるかのごとく出てくる世間常識から乖離した出来事の中にあってパーティー券問題は大学教授の告発もあって俄に世間に注目されるようになった。7億とか2億とか半端な金額でないこともあって東京地検特捜部が動き、昨年暮れには派閥事務所を家宅捜索し、1月26日開会の通常国会までには係わった何人かの議員らが逮捕や送検されるものと予測されていたが、今回の起訴実体を見ると大山鳴動して鼠一匹の感は拭えない。
その主たる原因は安倍派の歴代事務総長ら大物を起訴できなかったからである。その代表が前官房長官の松野博一氏である。一日2回の報道陣への発表でキックバックの質問をしつこく何度も質問されていたにも拘らず「捜査中ですので」との一言で木で鼻をくくったように頑な態度を続け通した。〝先生〟と言われる人はこうあらねばならない。