時の話題 「昭和は遠くへ」

 歌手で画家としても著名な八代亜紀さん(本名・橋本加代)が免疫異常の膠原病一種の急速進行性間質性肺炎で73歳で亡くなった。
 演歌歌手はあまたいるが、ハスキーボイスで「なみだ恋」「おんな港町」など次々とヒットを飛ばし「舟歌」で哀愁を漂わせ「雨の慕情」で日本レコード大賞に輝き、紅白歌合戦で2年連続し大トリを務めた。
 燻ぶっていた八代さんが世に知られるようになったのは元スリーファンキーズの長沢純司会の全日本歌謡選手権で10週連続し勝ち抜いたためで、この選手権は五木ひろしも勝ち抜いておりプロ歌手への登竜門であった。
 この歌謡選手権は手厳しくズケズケ批評する審査員も売りの一つで、既にプロ歌手だった五木の無難にまとめる歌い方に注文を付けていたのを思い出す。
 昨年後半から大橋純子、もんたよしのりなど筆者ら世代と同じく昭和、平成を生き抜いてきた歌手の訃報を聞くにつけ、年取ったことつくづく実感する。
 まさに「昭和は遠くなりにけり」である。
 個人的な事を申すと筆者は今年「古希」70歳になる。御丁寧にも関係する団体から「古希を祝い祝品を贈呈します」との連絡あったが、嬉しいやら悲しいやら複雑な心境ではある。先ずは目出度いということになるのか。
 あと何年、読者の皆さんに爺の戯言を伝えることができるか知れないが、難しく書かず読者の皆さんに共感を呼ぶような興味ひく小欄になるようしたい。
 また脱線したようである。黙っていても年は取る。それなら黙っておらず大いに毒舌をふるうことにしよう。