豊漁と安全操業祈願 機船漁協と稚内漁協 鮮魚上場され初競り
稚内市地方卸売市場で6日朝、沖底漁船が水揚げしたタラなど3456箱の初競りが行われ、買受人の威勢よい掛け声が響き渡っていた。
午前7時の初競りを前に、工藤市長は元日に発生した能登半島地震などに触れ「底曳の水揚げは順調で21億円を越え、新型コロナウイルスが5類に移行したことで人流も回復しました。今年の大漁と安定した漁を願い一層の発展を願っております」などとの挨拶に続き、風無稚内機船漁協組合長は、昨年から経済が回り始めたが、ALPS処理水による中国の水産物の全面禁輸TAC(漁獲可能量)の増枠など乗り越えることが多々あるとするものの、水揚げは1万7400㌧、金額は21億2000万円と前年を上回ったとし「資源管理し安全な魚を届けられるよう衛生管理に努め一年間頑張って操業していきましょう」などと述べた。
このあと中陳買受人組合長が「年末は時化で操業できず、原油高騰など厳しい状況ですが、ピンチをチャンスに変え乗り越えて行きましょう」などと挨拶したあと、南市場部長の音頭で三本締めが行われ、今年の豊漁と安全操業を祈願した。
稚内漁協の初競りは6日朝、市場で行われカレイなど鮮魚が上場され、買受人らの威勢よい掛け声が場内に響き渡った。
競りに先立ち岡田組合長が関係者60人余りを前に、昨年の取扱実績について「主要な魚種の秋サケ漁が全道的な不漁となり、低迷が続くイカ釣り漁の漁獲減少により、数量は前年より少ない1194㌧となりましたが、春ナマコや毛ガニ、タコなどの価格の支えもあって金額は25億6000万円の実績となりました」と振り返った上で、今年一年について「今後も漁業や組合運営を取り巻く環境は厳しい状況が続くものと思われますが、今まで以上に安心安全な水産物の安定供給に職員一丸となって頑張って参りたい」などと挨拶した。
続き柳浦買受人組合長が「初競りで鮮魚が並ぶことは大変嬉しく思います。皆さんのご健勝と発展を祈念します」などと述べ、来賓の工藤市長が「今年一年の大漁と漁価が安定することを祈念します」、吉田道議が「今年は辰年。昇り龍の如く勢いのある一年になることを願っています」などと夫々挨拶。山岸専務理事の音頭で三本締めが行われたあと、真ガレイやカスベなど鮮魚約100箱が競りにかけられた。
買受人の男性は「初競りでこんなに鮮魚が並ぶのは近年はないこと。良いスタートだ」と話していた。