時の話題 「脅威の人口減」

 先の事は誰も予想できないものだが、厚生労働省の社会保障・人口問題研究所が27年後の2050年までの全国地域別将来推計人口を予測し公表した。道内は20年の直近国勢調査の522万4614人から26・9%の140万人減り382万人になるとしている。
 当るも八卦当らぬも八卦の類でなく、言ってみれば確度がかなり高い予測といえ稚内市は3万3563人(今年11月末日現在は3万1046人)から1万7716人に減る。実に47・2%の1万5847人も減る。予測どおりとしたら由々しき事態である。
 今から27年後、筆者など70歳前後ばかりでなく還暦の60歳でも生きている人は少ない。そのような先のことだから現実感として乏しくなる訳だが、地球温暖化同様、人口減少も避けられないことになるのは間違いない。
 政府は少子化対策などと此の期に及んで打開策に懸命だが、20、30年前にも予測できていた筈なので官僚含め手温い。頭がいいだけでは限界があるということなのか。
 世の物事対策は景気が良い時に手を打っていれば大やけど負わず軽減できるのだが、一部の国を除き好調な時に心配事に対処する国は珍しく、バブル経済後の〝失われた30年〟を経験した日本も好景気に浮かれた国のひとつだ。
 稚内とて当時のソ連の専管200㌋、国鉄民営化等々の困難に実効ある手立てを実行していれば疲弊は今よりも軽減されていた筈なのだが、行政に逼迫感が足りなかったのは事実だ。遅くはないので今後対処策を実行せねばなるまい。