捕虜第1号酒巻さんの話 歴史・ まち研 戦争秘話として青木氏

 稚内市歴史・まち研究会は16日午後、文化センターで講演会「真珠湾攻撃~日本人捕虜第1号になった男」を開き、平和の大切さを伝えた。
 太平洋戦争が開戦した12月8日に恵北の赤れんがで開催した平和祈念の灯りの関連行事として、真珠湾攻撃で特殊潜航艇の乗組で日本人捕虜第1号となった酒巻和男氏の手記を編集・発行した国立大鳴門教育大学同窓会初代会長の青木弘亘さん(82)が講師、ゲストに酒巻和男氏の長男潔さん(75)を迎え開いたもので、市民ら65人が参会した。
 歴史・まち研究会の富田会長が「82年前の真珠湾攻撃の出来事によるご縁であり、興味深くお話を拝聴させて頂きたい」などと挨拶したあと、青木さんは潜水挺に乗船していた10人の乗組員のうち酒巻さんを除く9人が戦死したことやアメリカで捕虜となった時の4年間で収容所を4カ所転々したことを紹介し「酒巻さんは生き延びてしまったことに葛藤を抱きながらも、収容所に来た日本人に生きて祖国に帰り、日本のために尽くすことが大切だと伝え続けた」などと語った。
 赤れんが通信所で続けている平和祈念の灯りの営みに触れ「稚内の方々のように一人ひとりが平和を祈り、行動することが大切」などと訴えた。
 息子の潔さんは「学生の頃、80日間ほど声問で過ごしたことがある。稚内は思い出深い街です」などと話していた。

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