沖底漁船の歴史語る 中澤さん信金東支店で講演会

 稚内海友会の中澤和一会長による「稚内沖合底曳漁船の歴史」講演会が22日、稚内信金東支店で開かれた。
 気仙沼出身で、21歳から稚内の沖底漁船に乗船し、漁労長を31年勤めた中澤さんの講演会には市民60人が参加した。
 大正9年、今よりも小型な沖底漁船が初めて操業したのを始まりに、隆盛期には70隻以上の沖底漁船が出漁しホッケなど大量に漁獲していたことなど、当時の船頭の話を交えながら説明し、昭和52年に200海里が設定されたことで漁業に大打撃を与えたことなど話した。
 当時、ソ連のパトロールが厳しく、監視する船がない大シケで操業する船がいたことやタラバガニが宗谷湾に押し寄せたとの話には、往時を懐かしむ元船員だけでなく若者達も今と違った命懸けの操業の話に耳を傾けていた。
 中澤さんは「稚内の沖底漁船の隆盛時代を忘れないよう後世に伝え続けたい」と締め括った。