時の話題 「風車の勉強会」
著名な市川守弘弁護士が講師で来るというので先週土曜午後開かれた稚内そよ風の会主催の風力発電勉強会に臨場した。
市議の平間護氏が代表のそよ風の会は、組織の名の通り稚内で今ラッシュとも言える風力発電施設について疑念を抱いている団体なので、そのような趣旨で市川氏の講演もなされるのだろうと予想していた通り人の健康や土砂災害の危険ほか地域社会の分断というテーマに基づく講話は目にウロコであった。
この中で市川氏は「私は再生エネルギーは大賛成」と切り出すも風車や太陽光施設を建設するのに「自然を壊していいのか?」と問題提起し、「環境正義の視点から(稚内など)過疎に押し付けるのは正義に反する」と批判した。
風力発電施設建設により山肌が削られ土砂災害の危険さえ現出してくるとし、更には100㌹以下の低周波音20㌹以下の超低周波音による健康被害も懸念され、睡眠障害を例として挙げた。
森林にも言及し「国有林は自由に貸し出しできるものでなく、道有林・市有林も同じ扱いになっている」と、今の状況を問題視し、山幅を崩すことで土砂災害や川の洪水のリスクは以前にも増して高まっているとした。
風車を建設するには資機材など運ぶ林道を造らなければならず、保守点検に欠かせないものなのだが、風車建設の許可項目に入っていないので埋め戻すことなど自然林復旧への約束事がない現状に警鐘を鳴らしていた。
経済優先の日本の現状を浮き彫りにした開発行為に問題点の多いこと改めて認識した。