時の話題 「運否天賦」
先日開かれた市議会の総務経済常任委員会で福島第一原発処理水の海洋放出から端を発した中国の日本産水産物の全面禁輸によりホタテやナマコなど行く先が無くなり在庫と化す事態を招来していることでの質疑が交わされた。
宗谷漁協のホタテは以前、猿払産に比べると小振りだったが、数年前から猿払を越すような大型のホタテが獲れるようになり昨年度は史上最多の110億円を超える取扱量になるも今回の禁輸措置により中国への輸出ルートは閉ざされ倉庫に眠ることになった。
事業というのは売ってなんぼの世界だけに痛手は半端でない。
稚内漁協のナマコだって厳しい状況に置かれている。
先日、稚内市地方卸売市場買受人組合の創立50周年記念式が開催されたが、買受人組合とて材料が無ければ仕事にならず儲けることもできない。ホタテの輸入が止まることは下処理する加工場にも多大な影響を及ぼし存亡の危機さえ生まれる。
捨てる神あれば拾う神ありで、当市と長い間、交流している群馬県太田市からホタテ玉冷の4万㌧もの引き合いがあり、市水産商工課は常任委員会で今月にも発送される運びにあること明かにした。
遠い他人が助けてくれたのだから今度は近くの親戚の我々市民が救いの手を差し伸べなければなるまい。
何か問題や障害があっても一つひとつ解決していけば先の光が見えてくる。しょげている暇はないのだ。
日本のてっぺんにある当市はハンデはあるも絶望的ではない。前向きで負けじ魂を持つ市民おれば曙光ある。