時の話題 「時の人たち②」

 そして最後に控えしは大リーグエンジェルス大谷翔平選手となるのだが、今シーズンはア・リーグホームラン王(44本)となり投手としても10勝あげた。投打二刀流ここにありという活躍であった。ア・リーグMVPも濃厚であろう。
 高校時代は兎も角、大谷を知ったのは日本ハムファイターズに入団したからである。「大リーグに行きたい」と希望する大谷の心を翻意させたのは「先ずは体づくり」とする栗山監督の意を汲んだ日ハムの育成・将来方針であった。
 子どもの頃からのリトルリーグ、花巻東高と野球選手として研鑽を重ねる中、精神論を重んじる花巻東の佐々木洋監督との出会いは野球への取り組み方を変え、メジャーしか考えていなかった大谷にとって日ハム球団が示した育成法はデータ化され納得いくものであった。
 エンジェルスに入団してからは故障がちであったが昨シーズンから実力を発揮しだし、今年3月のWBCでは日本チームを投打でけん引し決勝で米国チームを敗り優勝に導く活躍をしたのは記憶に新しい。
 素材が優れているのに加え精神的にも強く前向きな考えに徹するのが素晴らしい。記録もだが記憶にも残るメジャーでも傑出した唯一無二の選手になるに違いない。
 日ハムから輩出なんて言う自慢を遥か超える逸材は今後どこまで様々な記録を塗り替えるか興味あるところだが、二刀流という酷使に体は悲鳴をあげており、投手はさておき打者としてメジャー記録を上回るホームランを打ってほしいものだ。